『任天堂ノスタルジー』を読んで、「権威になる覚悟」を決める

会社の同僚から進められ『任天堂ノスタルジー』を読みました。
 
「『任天堂ノスタルジー』」の画像検索結果
任天堂花札の会社から玩具の会社へと変遷を遂げた立役者でもある横井軍平さんを中心に描かれている本で、
この本のポイントは
・テレビ画面の外で遊ぶ
という横井さんの思いです。
 
カラー、見やすさ、グラフィックの美しさなどテクノロジーを改良して勝負するのではなく、
技術的には先進的ではなくむしろ後退していても、
あくまでも外での遊びの延長を作ろうという思いを持ち続けてものづくりをされていたからこそ、
後世にも語り継がれる大ヒット商品が生み出されたんだろうと思います。
 
そんなことを思っていたところ『起業の科学』の著者田所さんが10月31日に以下のような投稿をされており、任天堂横井さんに通じる”想いの強さ”があったので共有します。
 
 
(以下長いですが抜粋しました)
*****************
 

僕はこれまで3000人以上の起業家に会ってきて
アドバイスやメンタリングをしてきた。

必ず言及するアドバイスがある。

「起業家(事業家)は自ら選んだ領域において、
権威(オーソリティー)になる”覚悟”が必要だ」
ということである。

つまり
「自ら選択した領域において、自分が誰にも負けない第一人者になる覚悟があるか」
ということである

「権威になる覚悟」があれば、
自ずと自信もつくし、高いモチベーションも維持しながら必要な努力はなんでもやる

このレベルの覚悟をもつことは
取り組む事業において
あらゆる側面で有利に働く

一例を上げると
・色々な場所で呼ばれて、マーケットインサイトを得ることができる
・メッセージ性が強くなり顧客獲得しやすくなる
・優秀な人材を採用しやすくなる
・競合相手への牽制が聞く
と枚挙のいとまがない

僕は2015年の誕生日に、
「5年以内に自分はスタートアップにおける世界的な権威になる」
という“覚悟”決めた。

“覚悟”をベースに
2000人以上の起業家/投資家に会い、
1000冊以上の書籍を読み、1000人以上のインタビュー動画を見て、それらを全て自分の言葉に変換して理解し、アウトプットを続けた

過去の5年間、飲み会、会食を
ほとんど断り続けた。

夜10時から2時までは
パソコンに向かい合い、
スライドを作り続けた。

それがベースとなり
「起業の科学」「スタートアップサイエンス」
が生まれた。

2017年に
2000ページ近くなったスライドをローンチすると
3日で2万シェアされ、色々なところから取材と登壇と書籍化の話がやってきた。

僕と一緒に仕事をしたいという人たちが
引っ切りなしにやってきた

何が言いたいのかというと
「起業の科学」は“覚悟”で
生まれたということだ

僕自身がアドバイザー/メンターとして
言い続けたことを自分自身が全力で取り組んだ
ということ

起業の科学が発刊した
今のタイミングでこの投稿をしたのは
今の時代だからこそ、
「覚悟が人生(職業人生)の最大の武器になる」
ということを伝えたかったからです

*****************
 
誰もがみな最初から権威を持っているわけではなく、
日々の行動の積み重ねが重要だということは経験からも、たくさんの事例をみても明白ですし、普段私たちが関わる転職は「覚悟」を決めるきっかけになると思います。
 
ただ、それよりももっと重要なのは、「”権威になる”覚悟」だったということに気づかされました。
 
権威というとすごく大それたことのように感じますが、
”「◯◯といえば私」といったように何かキーワードが出てきた時に思い出してもらうもの”
と考えると万人に当てはまるかと思います。
 
何かしらの覚悟を決めて会社にいるとき、その覚悟は
「自ら選択した領域において、自分が誰にも負けない第一人者になる覚悟」
となっているでしょうか?
少なくとも会社内では第一人者になろうとしているのか?
 
私は覚悟は強かったですが、「権威になる覚悟」は弱かったです。
会社内で欠けているピースを埋めてタレントを磨いてきたつもりでしたが、
スタートアップマーケットでは権威はおろか知られてもいない。
自分で運を掴みにいくちょっとした勇気を持って、社外に対するアウトプットをしていきます。

『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』を読んで、会社の課題に優先順位をつけることの重要性を考えた

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』を読みました。
 
「NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く」の画像検索結果
 
ちょうど私たちの会社でもコミュニケーションコストをどこまでかけるか、
どこまでの情報を開示するのかということが議論にあがっていましたが、
この本を読んで私なりに気づいたことを共有します。
 
すべての情報をオープンにすることは不可能だと思いますし、
たぶんwikiで共有しても見ないし(本当は共有したほうが絶対いいんですが)、
重要なのはそこじゃないと思うんです。
 
私たちの会社の課題(売り上げ、採用、育成、新しいマネタイズなどなど)は考えるだけでもたくさん浮かび上がってきますが、
【課題の解決すべき優先順位】の共通認識がないことが課題だと思いました。
 
つまり、「会社の課題って何ですか?」という問いに対してはみんな大方ズレることなく答えられると思うんですが、
「会社の課題を順位に並べるとどうなりますか?」という問いに対してズレると思うんです。
 
ここで、「そもそも解決すべき課題の優先順位をつける必要があるのか?」
という疑問が出てくるかと思うのですが、私はその必要があると思います。
 
なぜなら、解決すべき課題の優先順位が見つかれば、行動や意識の中でも強弱が生まれ、
優先順位高いことに対して”総力戦”で戦えるんじゃないかなと思いました。

Social Innovation Weekに参加して感じた、”まずは既存のゲームルールで勝つ”ということ

少し前の話題になるのですが、Social Innovation Weekという渋谷でのイベントで参加してめちゃくちゃ勉強になった議論を共有させていただきます。
 
いろんな著名人が対談イベントをされていて、
私は
・CAMPFIRE家入さんとリアルテックファンド永田さん
・Campus for H石川さん
のセッションが特に面白く参考になったのですが
この二つのセッションで共通することは、、
”まずは既存のゲームルールで勝たないと始まらない”
ということです。
 
私たちはこの資本主義を基本とした社会で生きていくのであれば
まずはその社会のルールに則った覇者にならないと、
それすらできない人の意見は誰も聞かないんだろうなと思います。
もしくは、そのルールから外れて自流を貫き通すか。
 
給与が低いとか、やりがいがないとか、企画がやりたいとか
日々いろんな人の生き方を聞く機会がある私にとって、
まずはその会社、そのジャンルで勝者になったのか、
問わなければならないし、問われるべきなんだと思います。
 
 
(以下備忘録的なメモです)
***
①「資本の本質」
◯ 株式会社CAMPFIRE 代表取締役社長 家入一真
◯ リアルテックファンド 代表、株式会社ユーグレナ 取締役 CFO 永田暁彦
・資本主義っていうルールの下生きていて、そのルールで勝ち切った人は、内発的動機である好奇心か、外発的動機である宗教に基づいて生きていく
・内発的な好奇心は自ら内省的に何かを進める力を持つ人で、外発的な宗教はどんな未来を作って行くべきか外発的に促されて動く人
・お金は本当に正しいと思ったとき、正義を通すために必要なもの。正しく使ってくれる人にお金が集まればいい。
 
 
②「ウェルビーイングの本質」
◯ 株式会社Campus for H 共同創業者 石川善樹
ルネサンス以降、時代の大きな流れとして、学問ができ、学問ができると産業ができ、産業ができると文化が生まれるというパターンになっている。
「学問→産業→文化」
 
<学問は財団によってつくられていて、日本で学問の重要性を説いた人>
渋沢栄一:日本の資本主義の父で、日露戦争後の反動不況の中、生産調査会のなかで重工業発展の重要性を説く
高峰譲吉:研究者で、理化学工業の時代であり純正理化学の研究所「理化学研究所」の必要性を説く
田中角栄理研出身
渋沢栄一級の人はロックフェラー(可能な限り効率的かつインパクトの大きい事業に投資→学問:予防医学人工知能の元となる)
 
<学問はどうやって前進するのか>
・あいまいな概念を具体化する中で学問は形作られる
┗クロードシャノン(情報学をつくった):情報とは何か?という問い
┗アダムスミス(経済学をつくった):人間の本性は何か?という問い
┗DrSzeming(現代の予防医学をつくって、WHO):健康とは何か?という問い
 
・曖昧な概念の具体化=測定精度を高めることで、学問を膨張ではなく前進することができる
┗精度が高まることによって、新しい産業が生まれる
ex)生死の精度が高まることによって生命保険が生まれる、病気の精度が高まることによってヘルスケアが生まれる、健康の精度が高まることで測定事業が生まれる
<石川さんが今やっていること>
・石川さんは新たな学問を作るために、その礎たる公益財団をつくる
・今具体化すべき曖昧な概念:
「社会の進歩とは何か?」
┗32代大統領ルーズベルト大統領が測定を試みGDP導入されて以降社会を測定されるものがなく
┗西洋的なウェルビーイングは階段方式で上に行けばいくほど高いとなるが、日本は幸せすぎて怖いという概念があるように、「振り子」方式で、振り子の測定を目指している
 
★科学の理論は最小の情報で最大を説明する
「最小の情報で最大を説明する」これを聞いた瞬間震えました。
これって、別に科学じゃなくてもいえる(というか科学が新規性、再現性を追求するものであるならば私たちの経済活動も科学の一端を担うので、普段の行動でも心がけられると思ったんです。
 

(石川さんの図に追記)

学問→産業→文化

財団の出資→曖昧な概念を具現化→測定精度を高めることで前進

スタートアップ成長記録⑦ 2018年7-9月のお話「役職と役割のジレンマ」

私たちの組織ではある一定の売り上げを超えた人間には「シニア」という認定制度が与えられ、

会社運営に携わることのできる権利が与えられます。

 

会社としては、

「シニアは全員がなるべきステップであり、シニアになると会社運営に携わらせてあげる」

という認識の方が強く、シニアになったからといって待遇が変わることはありませんでした。

その代わりに4−6名からなるチームをまとめる責任がついてきました。

あくまでチームなので、チームの売上達成に自分の評価は連動していません。

今までメンバーとして自分のことだけ考えて、+αでチームのことを考えてきた私からすると

チームのことを考える比重が増え、そこに説明責任があり、さらに自身の目標数字も上がり、精神的にきつい時期でした。

 

私とほぼ同時期にシニアになったメンバーは6人いて、

・前職エンジニアの支援をしていたMさん

・前職ものづくり系スタートアップの支援をしていたGさん

・前職人材系にいたFさん

・前職スタートアップにいたMさんとGさん

・私と同じくグループ異動組のDさん

 

このうちの何名かは

「シニア前後で明らかに役割は変わったにもかかわらず、

報酬は同じというのはおかしい」

という疑問を持っていたため、週1回の会議で代表に対して交渉する機会をもらいました。

 

そこで代表から言われた一言は、

「前職給与が安い会社にいたから仕方がない。そのためにインセンティブ制度を設けたのでインセンティブで稼げ」

「逆にいくら報酬をあげればいいのか」

ということでした。

 

確かに前職の年収が低いところを選んだ自分に落ち度はあるが、

現職が設けたボーダーラインは超えてシニアになったのであれば前職年収は関係ないのではないか。

確かに会社が設けたボーダーラインをクリアすればそれなりにインセンティブをいただけ、

同年齢の人よりは少し年収は確保できるものの、

・時期変動が大きい

インセンティブは自社独自の制度なので転職の際考慮しないことが多い

ことからベースの給与を上げたいと思っていた私たちとは相容れない回答でした。

 

評価制度がない会社で働くということは、

これから自分達で作っていくことができる反面、その交渉は成果を出していたとしても厳しく、大変な苦労を伴うことである

ということを思い知りました。

 

評価制度は一朝一夕でつくれるものではないので、これから議論を重ねていこうということになりましたが、

シニアになったら発言権がある、

シニアになったら何か変わる

と思い込んで今まで努力してきた私にとって、

そんな対応しかできない代表・経営陣への苛立ち、

そんな状況を変えられない自身の力不足を思い知りました。

 

と同時に、私たちは私たちのような未上場スタートアップへの転職斡旋を行なっているので、

スタートアップだからポジションがあいて、経営陣に近い意思決定をするチャンスが増え、年収も増える

ということを安易に口にすることは絶対にやめよう、

スタートアップといっても千差万別あり、フェーズとポジションに合わせて考えないと、

個人の自己責任だけでは済まされないと強く思いました。

 

次の3ヶ月では明らかに私たちの会社にとって大きなターニングポイントになるであろう重大な意思決定が行われました。

 

それはまた12月にまとめてお伝えします。

 

『20億人の未来銀行』を読んで、外注するものと内製するもの

『20億人の未来銀行』を読みました。
 
「『20億人の未来銀行』」の画像検索結果
 
モザンビークで決済サービスを立ち上げた合田さんのお話で、海外で0からサービスを作った背景、どんな風に仕事を進められてきたのかエピソードが書かれているので読みやすいものになっていました。
 
その中で2点面白いと思った点を挙げます。
・私たちが生きていく上で必要なモノがエネルギーと食糧で、今までの歴史から資源拡張期と資源制限期を繰り返している中で、今は資源制限期にある。資源が無限に増えるわけではないからこそ、お金でお金を稼ぐような複利モデルは現実に合わない。
→資源が足りないということは各所で言われていますが、拡大期と制限期に分ける方法は新しい分類方法だったのでおもしろいと思いました。漠然とした課題も分類することで本質的な課題とそうじゃない課題に分けることができ、何れ拡張期がくるとしても、合田さんは制限期にある今できることを考えられていたように感じます。

 

 

・最先端かどうかよりも大切なのは現場で使えるか

という項で、今回のモザンビークの決済システムは通信環境、携帯電話の普及を鑑みてNFCを用いられました。

→これを読んで、先日発表された日立とテンセントのスマートシティ構想における連携の記事がリンクしました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3515922010092018EAF000/

 

日本ではクラウドが当たり前で、ローテクって、、、という印象が持たれがちですが、結局現地で生かされないと意味ないですし、全部を自社で作る必要ってないんじゃないかなと思いました。

スタートアップ成長記録⑥ 2018年4-6月のお話「組織化、言いたいことが言えない」

スタートアップ成長記録、いろんなことが目まぐるしく起こりついついサボってしまいましたが、、、

四半期に1回は更新していきます!

 

前回は2018年1−3月のお話で、一気にメンバーが増えてどうなることやら、、、

というところで終わっていましたが、

mai14.hatenablog.com

実際にどんなことが起こったのか書いていきます。

 

2018年4月F社では大きな動きがありました。

それは、執行役員/GMの選出、4つに組織分類です。

 

まず、執行役員/GMの選出について

今まではオールフラット、売り上げ受注が一定基準を越えると「シニア」「プリンシパル」「パートナー」という認定制度はあったものの、役職はありませんでした。

しかし、2019年−2020年に上場を目指しているF社では、建前上組織をつくる必要があり、2018年4月にその発表がありました。

 

執行役員について、大方の予想通り以下2名が選出されました。

・創業まもない頃からF社を支えてきて、頭の良さ、VCへの理解には定評があるSさん

・F社第二創業期をつくったといっても過言ではないTさん

 

GMについて、

・F社で売り上げ1位を誇るRさん

・入社半年ながらも圧倒的な影響力でチームの中心となったSさん

・創業間もない頃、COO候補なんて代表にも言われていたらしい世渡り上手なNさん

・創業メンバーとして、人事も兼務するSさん

が選出。

これに関して、順当な決定であったことは言うまでもないですが、この1ヶ月後、GMのSさんは退職し、起業の選択をとられることになりました。

 

 

4つに組織分類について

今まで明確には1事業部でやってきたのですが、こちらも上場する上で組織図を作る必要があり、このタイミングで4つに事業が分類されました。

①昔からやってきた人材事業部門

②新しく創設された新規事業部門

③エンジニア部門

④コーポレート部門

 

時価総額を意識して、人材紹介以外のマネタイズをするべく、新規事業部門が立ち上がったのはいいものの、この立ち上げ方がマズかった。と思っています。

・何をするかこれから決めるが、とりあえず組織の建付をつくった

・メンバーは社内から知らないうちにアサインされていた

・取締役、GM2名、メンバー2名で構成されており、忖度があったのかと疑いたくなる感じ

あれだけ透明性だ、フラットだと言っておきながら、

ここに関して決まった事実だけを伝えること、

GMってなんだよ、何に責任を持つ人なんだよ

などなど怒りが込み上げてきましたが、

所詮この会社は代表のものですし、私の怒りなどを聞く必要性はどこにもないですし、重要なことを事前ではなく事後に伝えられる人材にしかなり得ていない自分のレベルの低さを目の当たりにし、

経営陣に透明性を求めることを諦めてしまいました。

 

でも、これは今だから思うことなんですが、

メンバークラスの私がちょっとした疑問を解決せずに諦めたら、

これから入ってくる人もそんな風に諦める人が増えるだけだと。

 

「いちいち聞きやがって」って思われるのも嫌ですし、

「売上あげてから言え」ってごもっともな意見言われたら何も言えないんですが、

自分のためというより、組織のためにクリアにしておかなければならない

と思ったことはクリアにしないといけないと思うんです

 

それが従業員の使命なんじゃないかなと思います。

 

今までマネジメントらしいマネジメントがなく、上司部下の関係がなかったF社なのですが、

今回の人事アサインによって一応上下というのが組織上できたことから

「あの人のマネジメントに納得いかない」とか「あの人についていけない」「腹がたつ」

などの組織あるあるがたくさん出てくるんですが、

納得いなかくて、改善するのは誰のためか、何をすれば解消されるのか

メンバーは考えてから発言するべきだと思います。

 

そして、ついに私も目標売上を達成し、「シニア」認定されました。

やることはあまり変わらず、給与も相変わらず低いですが、

”シニア会議”という人材事業において議題をあげ、解決できる会議に参加できる特典があり、これに参加していくことになります。

 

マネジメントではないけど、マネジメントをしないといけない、さらに売上目標も上がった

という中、どう奮闘していくかはまた次の機会に書くとします。

 

****過去の記事****

スタートアップ成長記録①
スタートアップ成長記録② 2016年の組織ジョインから半年
スタートアップ成長記録③ 2017年前半のお話「F社2.0の時代の幕開け」

スタートアップ成長記録④ 2017年後半のお話「成長痛」 - HRスタートアップで働くメンバーの日記

 

 

 

『脳はなぜ心をつくったのか』を読んで、脳と人間の組織との類似性を発見!

『脳はなぜ心をつくったのか』を読みました。
 
 
「脳はなぜ心をつくったのか」の画像検索結果

 

最近興味を持ってる脳と心の関係について、同僚に教えてもらった本で、

この本では脳がどうやって動くのか、神経の動き(ニューラルネットワーク)を”小びと”に例えて書かれていました。

 

以前『睡眠の化学』で心は脳で作られているが、意識は心身のすべてを管理しているというよりも、意識が管理しているのはごく一部であることから、一概に脳が感じたことが正しいというわけではないということが書かれていたのですが、
『脳はなぜ心をつくったのか』にも同様のことが書かれていました。

 

私たちの脳には無数の”小びと”がいて、その小びとたちによって自律分散計算が行われ、無意識が意識になる。

小びとたちは私たちが五感で感じたものを「寒い」とか「うるさい」とか「丸い」とか「1」とかいろいろ判断し、その結果五感で感じたものが何か「私」が意識する。
例えば「雨が降っている」と意識するには、匂いや音、冷たさなどを小びとたちがそれぞれ感じ、「雨が降っている」と結論を出す。
さらに結論は小びとのボス(つまり「私」)が下すのではなく、大きな声をあげた小びとに基づく。
 
 
◎小びとの特徴
・大きな声をあげた小びとに基づいて思考の結論が下される
・周りの小びとの声が大きいと他の小びとは黙る抑制効果や、ずっと一人の小びとは大きな声を出し続けられない疲労効果があるため、大きな声の小びとが増え続けて対立することはない
・小びとにその人の「人間らしさ」が宿り、私がどんな環境に身を置き、どんな体験をし、何を脳の内部に記憶し、どんな思考をするかによって、私の小びとたちは、より私の小びとらしくなっていく
ニューラルネットワーク(小びと)がいろいろなことを学習するときのやり方の基本は「正しいから」「良いから」ではなく、「使ったものほどよく発火する」である
 
 
 
声が大きい人に従ったり、正しさではなくよく使うところが重要視されたりという小びとの動きって、なんだか人間の組織みたいでめちゃくちゃおもしろいと思ったんですよね。
 
でもよく考えると、組織は人間がつくっており、人間の行動は脳に基づくことが多いので、結果として脳の動きは人間の組織のようなるのかななんて思いました。