今年のノーベル経済学賞と、「ミレ二アル起業家の新モノづくり論」について

今年のノーベル経済学賞について恥ずかしながらノールックだったものの、Fintech企業の経営者からお話を聞く中で、人の意思決定に関わる私の仕事に関係するものだったので改めて調べてみました。

今回ノーベル賞で評価された理論は、

「人間は必ずしも合理的に動くわけではない」

ということ。

普通、頭で考えるとむしろ合理的でない方が普通だと思うものの、それを科学的に立証することはかなり難しかっただろうと思います。

なぜなら、「合理的に動く」ことは前提条件を絞ることで指し示せるものの、「合理的に動かない」ことは前提条件が決め辛い、合理的か否かの基準が明確でないからです。

 

その他にもシカゴ大セイラ―教授の代表研究例として以下があるようです。

 

  • 心理的勘定:同じ10万でも自分で稼いだ10万と、ギャンブルで設けた10万だと価値の重さが違う
  • ナッジ:合理的でない人間の特性をもとに、より良い方向に選択を誘導する。ただし、その誘導は報酬、罰など経済的報酬ならびに制限は設けない

 

行動経済学経済心理学は人の意思決定にかかわる私たちの仕事にも関係すると思いますので、個人的にも理論を調べます。

(参考資料)

ノーベル経済学賞、セイラー教授の受賞理由 | 市場観測 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

今年のノーベル経済学賞「行動経済学」は何が凄いのか | 今週のキーワード 真壁昭夫 | ダイヤモンド・オンライン

 

行動経済学で人の心を操る現代の魔法「ナッジ」とは何か|ノーベル経済学賞セイラー教授の「発明」 | クーリエ・ジャポン

 

 

さて、表題にもある「ミレ二アル起業家の新モノづくり論」は今年上場を果たしたWantedly仲CEOの著書であり、この本の主張として以下をピックアップしました。

この本はキャリアコンサルタントや人事におススメの本かもしれないです。

 

人の性質として:

『サピエンス全史』より人間とサルを分けた決定的なものは抽象概念だった

『なんで』を説明できることによる報酬系から、今のところ人間は逃れることが出来ない

 

モノがあふれるこの時代において:

人間を人間たらしめる『抽象概念』に基づく行動が前面に出てき始めている

 

つまり、人間らしさは抽象概念を説明するところにあり、

この抽象概念を規定するのは言葉であり、

自分の想いを表現するためにはボキャブラリーを増やす必要がある。

でも言葉自体は陳腐化していくからこそ、概念で考えるべきだということが書かれていました。

 

キャリアコンサルタントの仕事でも、"マーケティング"とか"事業企画"とか

職種でやりたいことをイメージする方がいると思いますが、

それは単なるラベルに過ぎず、

その中身を一緒に棚卸していくと本当にその人が幸せになれるキャリア形成のお手伝いができと思います。

加えて、キャリア形成のお話をするときに一つ面白い示唆を与えてくれました。

 

時空が広がっているということと、幸せは必ずしも相関しない

 

もしかしたら今の状態が幸せという人にとって、

私たちの見ている世界を伝えて、

こっちの世界の方が幸せだよと伝えることは押し付けかもしれない、、、と思いました。

 

でも人間は新しい世界に行けばそれをまた都合よく概念化し、

自己正当化する生き物であり、

幸せとの相関がないからといって不幸せとの相関があるとは限らない

(そもそも相関関係は因果関係よりも緩やかな関係性)ので、

選択肢があること自体を伝えることはいいのかなと着地しました。

 

 

ちなみに、、、ミレニアム世代そのものについては尾原さんの記事で良くまとまっているのでこちらをご参照ください。

なぜIT批評家が、ミレニアル世代の渇望を説くのか | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

36歳以上と若者の間には「深い溝」がある--世代の壁を乗り越えるために理解すべき、2つの変化 - ログミー