弟子を募る「パラレル親方」からみる、人材育成システムについて

パラレル親方とは
複数の親方と弟子が存在し、同じ経済圏の中で相互に教育を行うこと
 
※パラレルに教育を行うこと自体は明確にスキームが決まっているわけではなく、多種多様な性格の親方の下弟子が学び、狭い業界なので親方同士で案件シェアしながら弟子もシェアしちゃうのありじゃない?というニュアンス
 
 
言うは易し、行うは難しということで、
弟子を募る「パラレル親方」のイベントに参加してみました!
※概要はこちら
3-4年ほど前から”企業間留学”や”レンタル移籍”、”ベンチャー留学”など社員をお互いに行き来させることで人材育成を行うエコシステムが確立しつつあるものの、
引き抜きや情報漏えいのリスクを回避するために異業種での人材交流という色合いが強く、互いの事業にシナジーが生まれているとは言い難い。
 
しかしながら、パラレル親方のミソは親方が”編集者”という共通点を持っていることである。
媒体手段やターゲットは違えど、全員が編集に携わっている親方が弟子を育て、案件を共有し合うことで利益最大化を目的としているパラレル親方だからこそ、本当の意味で業界に必要な人材を育てることができるのだろう。
 
案件を共有し合うなんて、日夜マス取り合戦を繰り広げている企業には懐疑的な話かもしれないが、個性豊かな親方のラインナップを見れば案件を独り占めしようなんて思いがちっぽけに感じるだろう。
 
普段はヘッドハンティングを行い、人のプロを目指す筆者の独断と偏見から、今回の親方のラインナップをマッピングしてみた。

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  • 長谷川親方:華麗なる経歴からみえるように、仕組み化が好きでお金のにおいをかぎ分ける力が強そうな人。弟子は所謂意識高い系の学生という感じで、野村證券とかリクルートで営業1位とる系の人っぽい。
  • 今井親方:ちゃっかりマネタイズポイントをつくったり虎視眈々とポジションを作りに行けそうな人。弟子は空気を読んでない風の独特な雰囲気だがあまのじゃくな人っぽい。
  • 徳谷親方:笑顔の裏にある戦闘能力の高さが見える人。弟子は自分の弱さを見せながら戦う強い人でフットワークは軽いが地に足着いた人っぽい。
  • くいしん親方:飾らず正直者で一番人間らしい人。
  • モリ親方:物腰柔らかい話から自信が溢れ出ていて、確固たる軸を持っていそうな人。弟子も思考の整理が得意で王道にそもそも論を問いただす人っぽい。
  • 望月親方:考えも生き方もエリートクリエイティブで、独自の世界観を持っている人。
 
"出来る人"には効率的に案件を、
"出来ない人"を"出来る人"にみんなですることで業界の底上げを行う。
一見手間だが、なぜやるのか。
それは、「メディアが人生そのもの」だから。
人生に寄り添う仕事を行うからこそ、個人や企業の利益といったミクロな視点ではなく、マクロな視点で考えられる人を育て、シームレスに行き来できる環境を整える必要があるのではないか。
 
マスでもニッチでも、紙でもWebでも、ストックでもフローでも、すべてを受け入れる場所がメディアであり、そのメディアによって自分自身をも形づくるクリエイターの生き様を垣間見えたイベントであった。