『孫正義 300年王国への野望』を読んで、ソフトバンクの拡大成長にみる自分の拡大成長の仕方

今週は1兆円の企業を1代で築いたソフトバンク孫さんの半生を描いた556ページの超大作、『孫正義 300年王国への野望』から読み解く

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アーム買収、ニケシュ入社退任という直近の大型トピックスの裏側からソフトバンクの創業時の話までストーリー立てて書かれているので、飽きることなく読み進めることができました。

 

孫さんのすごいところは未来永劫続く事業も会社もないことを前提として、

財閥的にグループにインクルードしていくような拡大成長ではなく、

あくまで融合体をつくっていくという思想を持たれているところだと思います。

その裏付けとして「ソフトバンク○○」というグループ会社が少ないですよね。


これは会社や事業というものに限らず、人のアサインに関しても同様で、

私たち個々人の働き方にも通じるところがあるのではと思います。


具体的には、1社に服従するような雇用―被雇用の関係ではなく、

必要とされている場所で必要なタイミングでコミットし、

それが終わればまた別の場所に拠点を移す契約関係にある。

 


アマゾンUber、Airbなどの幹部はもちろん、

SmartHRのCTOなど日本のスタートアップにおけるCxOの働き方やアサインもそうなりつつあるので、

もう少しすると幹部クラスのネガティブなリプレイスが減り、

最終的には個人レベルまでこの概念は落ちてくるのかなと思います。

 

これに近いことを言っているのが弟の孫泰蔵さんで、

彼自身シンガポールに住んで日本とシンガポールを行ったり来たりされていますよね。


教育を変えなければならない【孫泰蔵
http://diamond.jp/articles/-/140484
孫泰蔵の「ワイルド・サイドを歩け」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/041400010/

 

また、採用においても孫さんが採用したいと思った人はすぐ呼んで、

明日から来いと言える、突飛押しもない無邪気さ。

「こんなやつ採用しやがって」というハレーションもあったと思います。(特にニケシュのときとか)

でも自分を信じ続けてできた圧倒的な自信がほかでもない、

孫正義ならびにソフトバンクを作り上げたんだろうと思います。

 

ここからは上記考えるに至った個人的なメモです。

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<メモ:アーム買収に関連して孫さんの事業に関する考え方>


・「僕は決して世の中を大きく変えるような発明をしたわけではない。何かひとつだけ平均的な人と比べて僕に直腸的な能力があるとすれば、それはパラダイムシフトの方向性と、その時期を読むことに関心が強いということだ」
・「目の前の2-3年の小銭を稼ぐようなことに、僕は興味がないんだ。10年後や20年後に花を咲かせるものを、種の段階でかぎ分ける能力と、それに対してリスクを取りにいく覚悟が、僕は人より強いのだと思う」


<メモ:孫さんの300年王国を実現させるための考え方>


・孫さんの投資基準は門外不出とのことですが、この筆者が重要だと思う点は、「最初からいつかグループを去ることも前提としている」こと。
・「時代やテクノロジーの変遷に合せて出会いと別れを繰り返し、融通無碍に姿を変える企業連合。それこそが、孫が群戦略で目指す新しい企業群の形だ。投資は、あくまでそのための手段に過ぎない。」
・「同志的結合は金銭的結合より強い」
・「20代で名乗りを挙げる、30代で軍資金を貯める、40代でひと勝負かける、50代で事業を完成させる、60代で次の世代に事業を継承する」


<メモ:ソフトバンク創業から今までをざざっとサマルと、、、>
上新との独占契約、現KDDIにも契約まくが独占じゃないので契約書返してもらう
アスキーとの対立

→孫さん余命宣告
→孫さん闘病中にお金のプロ大森さんを社長に迎え入れる
→社内でハレーションが起こり退任
→商品部20人くらいが独立起業してソフトウイングを立ち上げる
→ヤフーBBを無料配布し、国営の流れを踏んで1社独裁運営だったNTTに正面対決
→ヤフージャパンの誕生
└代表ヤンさんとSB井上さんの交渉
└川邊さん(現ヤフー社長)率いる電脳隊買収
└一度辞めた村上さん(現LinkedIn社長)がSBアカデミアでプレゼンして経営陣を刷新
└井上さん退任
東日本大震災から生まれた電力事業