スタートアップ成長記録③ 2017年前半のお話「F社2.0の時代の幕開け」
2016年秋、デザイナーEさん、エンジニアTさん、後に営業キーマンになるTさんの参画によって新たな風が舞い込み、”F社2.0時代”に突入したF社ですが、
2017年1月、新たなメンバーが頭角を現しはじめます。
2016年12月に入社したコンサル・ベンチャーCFOバックグラウンドのFさんです。
異色の経歴を持つFさんはなんと私と同じ年。
それにもかかわらず、他者の追随を許さない圧倒的な行動量によって、
入社3ヶ月目には売上1000万(社内で2番目の売上)を達成。
Fさんクラスのキャリアなら、いきなりCFO候補としてアサインされてもいいのの、
クリエイティブでもコーポレート出身でもまずは本業で売上をつくり、信頼を勝ち得る。
その上でポジションメイクを行うという方針なら誰も文句のいいようがありません。
ここで1つの疑問が湧くと思います。
「なぜ入社してくれたのか」
採用支援でいろいろな候補者と相対する中で、
書類選考の段階から自分のポジションやミッションを気にする人は少なくありません。
もちろん、完全にフリーポジションというのはあり得ませんので、
少なからず想定するポジションはあるものの、
「責任者クラスでのアサインを想定している」
ことを面接前に明言する会社は少ないです。
なぜなら、経歴だけでは読み取れない、志向性や性格、話し方、見た目などを基に
今いるメンバーの上の役職として迎えいれてハレーションが起きないかを判断したいと思っているからです。
しかし、候補者からすると、せっかくキャリアをつくってきたのでその肩書きを手放したくない気持ちもわからなくもないです。
そんな本音と建前が揺れ動く中、なぜ私たちは会社のミッションドリブン採用ができたのか。
その答えは明確なミッションが社員全員に浸透し、それが採用基準になっていたからだと思います。
そのために、2016年にはミッション、ビジョン、バリュー言語化し、
2016年夏から月1で互いのタレント性について話をする時間を設け、
2017年には今の社名でもあるミッションをつくり、グッズをつくり、CEOはFacebookでの投稿のたびにこのミッションを記し、
”らしさ”を体現する言動が知らず知らずのうちに刷り込まれていきました。
そして、それが私たちの採用基準になり、共通言語となりました。
この”らしさ”が功を奏して、2017年前半にはインテリジェンス、楽天、三井物産、サイバーエージェントなど、
日本でも有数の有名企業に在籍していた方がジョインしてくれました。
全員、前職の役職関係なく、メンバークラスでのジョインです。
それぞれ新しく入社した人には緩やかにメンターなるものが存在し、
メンバーの私も入社して1年が経とうとする2017年春から、新卒入社社員のメンターをすることになりました。
あくまで実績に対して役職がつき、役割に対して特にインセンティブが働かず、
”教えてあげるのって当たり前だよね”というボランティア精神溢れる組織文化のため、
マネジメントフィーはなし。
薄給メンバークラスの私からすると、当然数字につながるような動きに時間を割きたいと思いますよね。
しかし、程度の差はあれど、採用基準の浸透性によってみんな組織のためにという想いで動いていました。
2016年5月には15名だった社員数が2017年5月ごろには30名弱の組織となり、
メンバーがぐっと増えるタイミングで、所謂”成長痛”なるものが生じます。
それが2017年後半です。
次回はその話をしましょう。