前回のスタートアップ成長記録⑦では私自身が少し目線が上がって苦労したお話を書きましたが、
今回はS社入社以来の大事件の話を書きます。
それは創業期からF社を売上面でも引っ張ってくれたCFOのFさんの退職です。
Fさんが入社したときのはなしはこちらスタートアップ成長記録③に記しましたが、
メンバークラスとして、人材紹介業務からスタートし、すぐに頭角を現したFさんは
CFOとしてF社が上場するために必要な業務を一人で構築してくれました。
個人的には同じ年ということもあり、尊敬しながらも負けたくないと思わせてくれる人でした。
新しく入ったメンバーは積極的に飲みに連れて行き、心理的にもみんなのサポートをしていたことは事実です。
しかし、それが度を超えてしまい、複数のメンバーからFさんについていけないという話が執行役員にあがったようで、
CEOが話をしてもよくなる気配が見られないということから、退職という形になりました。
9月末から10月にかけてCEOも執行役員も、小さな声をあげた複数のメンバーも、Fさんを慕っていたメンバーも、当事者ではないメンバーも、
全員が心に傷を負いました。
「こうなる前に何か対処できたのではないか」
と思うこともたくさんありましたが、私たちを必要としてくれる方、企業のために、私たちは前を向いて歩くしかなく、
この件によって、まだ和解できていない人もいるかもしれませんが、
前よりは少し素直に、互いのことを信頼できるようになった人は多くなった気がします。
そして、この件によって新しく生まれたことは以下です。
・経営陣の組織化への意向が高まる
・各自定量、定性目標の設定、3ヶ月に1回見直し
・採用に現場のメンバーがよりコミットする
私はメンバーよりは成果を出しているが、マネージャークラスとは言い難いポジションにおり、
目標設定のMTGでもかなり焚き付けられました。
でも、既存事業のマネジメントを志していない私からするとそんな期待はかなりの重荷となり、
会社の意向と私の意向が合致しないこの組織にいても仕方がない、他の組織での可能性があるのではないか
と思うようになり、そのモヤモヤは売上にも顕著に現れました。
会社としては前向きな方に進んでいるが、
個人としては会社が成長すればするほど組織化がされ、自分はどのポジションにいるのか(いたいのか)がわからなくなり後ろ向きな気持ちになりました。
さらにそれに追い討ちをかけるように、
2018年に入社してくれたネット業界出身者2名、2017年に入社してくれたネット業界出身者2名が退職し、
入社以来初めて「辞めたらどうするか」を具体的に考えるようになりました。
でもここで思いとどまったのは、メンバーのためでも、会社のためでもなく、自分のためでした。
ここで何者かになれなかったら私は一生何者でもない、そこそこの人になってしまう
という危機感から、上場するまで歯を食いしばって、残ろうと思いました。
とはいえ、来年春にはついに組織化が見えているので
まずはきちんと組織内で自分のポジションを確立するべく、
売上はもちろん+αの貢献をします。
どんな努力をして、どんな結果になるのかはまた3ヶ月後に書きますね。