『問い続ける力』と『クリエイティブマインドセット』と『BCGが読む 経営の論点2019』を読んで、自ら考えることの重要性に立ち返る

GW後半戦となり、たまっていた本をたくさん読んだので、その感想を書きます。

新しい時代の幕開けにふさわしく、三冊は思考を整理する本となりました。

昔も今もこれからも求められる力は、「問い、考え、発信する」なのではないかと思います。

できればそれを楽しんで、好きでできればいいのですが、

それができないくらい頭が硬くなってしまった方は自分が楽しいことや好きなことを頭を抱えて考えてもしょうがないので、

まずは、行動してみて、それを習慣化することで、自然と楽しみがみえてきたり、好きになっていくものなのかなと思います。

それではそれぞれの本のサマリを以下に記します。

 

 

まず『問い続ける力』ですが、

 

「〇〇とは何か」

を皆さん意識的/義務的に問い続けているというよりも、好きだから問うているという感じがして、表題の問い続ける力はここに起因するんだろうなと思います。

 

<以下気になった箇所>

●高齢の人工知能のほうが長時間ラーニングできるが、人間の天才は若い時に才能開花するケースがあり、AI的な直観モデルは天才の直観力には適合せず、ある特殊な固有振動数を持った天才が生まれる確率を出そうとしている。ー物理学者長沼さん

 

●読んだ本がすぐに役に立つというわけではないからこそ、好きなものを読めばよくて、その中から、一生に一回か二回役に立ったらラッキーと思うくらいでちょうどいい。ーAPU学長出口さん

 

キリスト教はキリストが人々を苦しみから救済するので、どうやったら神に気に入ってもらえるかということに経済活動が関連している。

それに対し、仏教は業をみつめ自分が悟りを開くことで救済するので、他者との関係で生まれる業をみつめるために、自分は正しくありたい、あるいは身近な他者に深い愛情を注ぎ、互いに信頼関係を結びたい。さらには相互に承認し合いたい。ということが消費行動に表れる。ー一橋大学寺西さん

 

●意識的にポジションをとる。好き・嫌いは、自分の知識ではなく、価値観をさらけだすことになり、世の中否定の方がしやすいからこそ、あえて意識的に「好き」のほうを強調して、人と勝負している。ー編集者岩佐さん

 

 

 

続いて、

最近クリエイティブについて考える機会が多かったこともあり、

以前エクサウィザーズ 石山さんが挙げられていた『クリエイティブマインドセット』を読みました。

 

そもそもクリエイティブ系というのは程度の差があれみんなが持っている能力であり、

dスクールの事例をもとにどうやって潜在的にあるクリエティブスキルを引き出すのかということが書かれていました。

 

 

表題にもなっているクリエイティブコンフィデンスとは

「”自分には周囲の世界を変える力がある”という信念」

であり、

もう少し噛み砕くと、誰をどう変えたいかを想像し、創造するということなんじゃないかなと思います。

 

そのためには以下3つがポイントになるかと思います。

 

周囲の情報に気づける網を張る(広げる、作る)

┗荒くても大きな網を張り徐々に網目を細かくしていくか、小さくても網目が細かい網を広げていくか、人それぞれだと思いますが、不確実性が高く情報があふれている今、それをキャッチできる(いらないものは捨てる)力は重要なんじゃないかな

 

自分について知る

┗本の中でも以下3点が挙げられており、先日のWEELY OCHIAIでも落合さんが最近はカダイドリブンのテックが多く、その課題は”人生の転機”か”妄想狂”のどちらかだとおっしゃってたように、自分を知っていないと課題って生まれないし、解決する手立ても生まれないんじゃないかな

①あなたの得意なことは

②あなたがお金を稼げることは

③あなたは何をするために生まれたのか

 

イデアを実行に移す

┗「まったく新しいモノを世に送り出すにあたって大事なのは、経験の年数よりも、経験した製品サイクルの数」という記載もあったように、どれだけ考えたとしても行動に移さないとだめで、小さくてもいいから成功体験を作ることで、信念や自信は強固なものになるんだと思います

 

 

 

 

最後に

経営者の方で何名かこの本の話をされているのを聞いたので、『BCGが読む 経営の論点2019』を読みました。

 

AIブロックチェーンSCM、デジタル、アジャイル、健康予防、社会的価値向上(TSI)、モビリティ、物流、決済についてBCGのパートナークラスの方が説明されており、

個別の企業というよりは業界構造の変化から今後どのような動きになりそうかという上流のお話なので、

全体感をパッと調べるにはちょうどいい本かなと思います。

 

 

ただ、私が気になった点はAIプロジェクトのところでクイックウィン(短期的成功)の重要性を説かれており、

その理由として、AIプロジェクトはそれなりの資金を投じる必要があるにもかかわらず、明確な目標に向かって一直線に進むというよりも、試行錯誤を経て結果を出すタイプの取り組みが多いことをあげられており、

その文面に続けて

「何らかの成果を速やかに出さないと、そこでプロジェクトは終わってしまう。このため、最初から大きな効果を狙うことはせず、問題の要因や打ち手がある程度予想できるテーマを見つけた方がいい。」

と文章が締めくくられていたところです。

 

AIプロジェクトは動くお金が大きいので目的意識を持って取り組まないといけないものの、

「何らかの成果を速やかに出さないと、そこでプロジェクトは終わってしまう」

というのは企業側の都合ではなく、BCGAI受託開発側の都合であり、

重要なのはプロジェクトを続けることではなく、AIプロジェクトによって企業の事業成長や価値創造につながることだと思います。

そのためには発注する側にも責任があって、発注してあとは丸投げするのではなく、

そもそもAIでできること、できないことをもとに、なんのためにAIを活用するのか、どこまでできればいいのかを一生懸命考える、議論すると、少しは価値あるものができるんじゃないかなと思います。