『不格好経営』からみる、これからのチームはどうしていくべきか

恥ずかしながら初めて『不格好経営』を読み、2013年の本であるものの、
現在のスタートアップのチーム作りをどうしていくべきか、
この本にはそのヒントが書かれていました。
 
南場さんにお会いしたことはないものの、「黙れ。」を文章の最後に付け加えるあたりの文体から
プロフェッショナルであるもののチャーミングな方なんだろうなと思いました。
 
 
本の中で興味深かったポイントは以下です。
 
DeNAが初めて黒字化を達成した時
利益は世の中にどれだけの価値を生み出したかの通信簿である
 
どんなに程のいいことを言っても、結局はどれだけ良いことをしているのかを測るのは数字でしかなく、
ここを語らずしてビジョナリーのことを語るのは社会に対して無責任だと思いました。
特に私がいるF社は日本にインパクトのある産業を生み出すとか、外貨を獲得する企業をつくることを目指しているチームであるからこそ、
それにふさわしい数字、人間力をつける必要があるんだと思います
 
 
・モバオクが爆罰的かつ異次元の成長をした時

時代の波(この場合パケット定額制の普及による波)をとらえ、タイミングに合ったものを一番使いやすい形で出す。これを実現してナンバーワンになった者だけが、拡大の良循環を手にする。

 

これはサービスはもちろん人の人生/キャリアにおいても同様のことが言え、
やっぱり今じゃないといけないタイミングでその会社に入って成長するからこそ、
次みんなが羨むようないい会社(波)にも乗れるんだと思います。
 
 
・モバゲーが犯罪に利用され国が動いたとき
コミュニティサイトのすべてが遮断されるのではなく、健全化に向けて努力をした事業者が報われる仕組みにするほうが、結果として業界全体の自浄努力が定着し、ユーザーを守ることになる。
 
これってビットコインの取引のときにもかなり議論になっていたのですが、
事業者の利益を守るためにはいかようにでも仕組みで解決できると思いますが、
そうじゃなくてどうやってユーザーが今まで通り楽しめるのかを考えたほうがよっぽど楽しいし、
本来自分たちがそのサービスをやる理由にも嘘をつくことなくできると思うんです。
1回自分たちの気持ちに嘘つくと一生嘘つき続けないといけなくなるし、
楽ではなく”ユーザーにとって”楽しいが基準になることの重要性を感じました。
 
 
・最後に
なぜ、なぜと議論するのは他者に任せ、ピカピカの成功事例を自らの手でつくることに邁進する
 
コンサルではなく事業家であるDeNAが目指したいこと、美学が端的に書かれているが、そこには明確な意思、つまり自分たちがやらないことが示されているなと感じました。
 
 
最後に全体を通して、南場さんの生涯が描かれていて間違いなく世の中の中でエリートに入る人でも(だから?)できないところがあって、
その部分を補う人がいたからこそDeNAはインターネット業界を間違いなく牽引してきたし、これからもその可能性があるのではないかと思います。
 
つまり1人のスーパーマンでは日本を変えることはできないんだと。
みんなができることを持ち寄って、強いチームを作りたいなと思いました。