この本の題名にもなっている「組織的知識創造」とは、
「組織成員が創り出した知識を、組織全体で製品やサービスあるいは業務システムに具現化すること」
とあるように、この本は知識がベースになっており、
「形式知」:言葉や数字で表すことができ、厳密なデータ、化学方程式、明治かされた手続き、普遍的原則などの形でたやすく伝達・共有することができる
「暗黙知」:主観に基づく洞察、直観、勘など他人に伝達して共有することが難しいもの
形式知と
暗黙知はそれぞれ独立して存在するのではなく、それぞれ相互に作用して組織的知識創造を起こします。
(知識変換プロセス)
┗共同化┛ ┗表出化┛ ┗連結化┛ ┗内面化┛
特に
暗黙知から
形式知に移る表出化プロセスは「知識創造プロセスの真髄」とも言われていて、
今まで軽視されがちというかよくわからなかった個々人の
暗黙知が組織的な
暗黙知になり、
それが
形式知という形で明文化されることで時間の制約を超えて再生可能かつ伝承可能になるんだと思います。
もう少し具体的にすると、
社長しか考えられないことももちろんあるし、どこまで行ってもコピーは作れないですが、
社長の考えを少しでもインストールできる人が増えることで、意思決定のスピードと精度が上がるだけではなく、
社長の考えに元来その個人が持っている個性が掛け合わせられることで新しい
イノベーションを生み出すことができるんだと思います。
よく
Value作った方がいいと世間的には思われますが、ただ文字情報にするのではなく、
暗黙知→
形式知のプロセスに基づいて
Valueを策定することで組織としてはブレイクスルーのきっかけになるということがこの本からわかりました。
もちろんこの本というか
経営学の
ケーススタディは成功企業からそのパターンを導き出すため結果論といえばそれまでなのですが、
成功企業から学ぶことで、自分たちの目指すべき場所と立ち位置を知ることができるのではないでしょうか。