『決済サービスとキャッシュレス社会の本質』を読んで、歴史を学び、立場の違いによる採用の違いを学ぶ

『決済サービスとキャッシュレス社会の本質』を読みました!
 
 プリペイド、デビッド、クレカが混乱していていつか整理したいなと思っていたところTwitterにて
KanmuのBizdevの方が
週末これ読んでるのだけど、これまで読んだカード決済系の本の中では一番いい。表面的な仕様とか仕組みの話の背後の、なぜそうなっているのかの説明が多く、ストーリーとして捉えやすい。英米との比較もあり、立体的に理解できる感じでおすすめです。
とご紹介されていたのがこの本です。
 

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本当はチャレンジャーバンクまで勉強したかったのですがそれはまたの機会とし、
ここには決済サービスの流れについてかなり細かく記載されていましたので共有します。
 
 
 
◉プレイヤーは以下5者
・決済サービスを利用する「会員」
・会員と契約して会員にカードを発行するなど決済サービスを提供する「イシュアー」
・ペイメントカードで買い物できるよう取り扱う「加盟店」
・加盟店と加盟店契約を締結する「アクワイアラー」
・イシュアーとアクワイアラーを接続するスキームホルダーである「ブランド会社」
 
 
 
これをFintechで示すと以下のようになります。
 
*イシュアー寄り:加盟店開拓はしないので営業よりはマーケティングが重要
・カンム
┗カンムは銀行口座がない人でも金融サービスにアクセスできるようにという思想を持っていて、金融庁傘下でビザライセンスを発行しているカード会社という位置付け
┗クレカ決済って普通私たちユーザーは手数料とられないですが(ここでマネタイズできてないから決済は薄利多売って言われてる)、カンムはコンビニ、銀行、クレカ、キャリア、後払いなどでチャージして使うとチャージ手数料をユーザーからとってる
 
・Kyash
┗こちらもビザライセンスを発行しているカード会社という位置付けなので加盟店開拓とかはない
┗ただ、決済手段としてのKyashというよりはチャレンジャーバンクという立ち位置を取ろうとしている
 
 
 
*アクワイアラー寄り:営業が重要
・STORESターミナル、PAY.jp、Airレジ
┗STORESターミナルやPAYはオフラインで決済する手段の一つであり、別に私たち会員に導入は促したりせず(厳密にはユーザー接点はSTORESとBASEがやってる)加盟店向き合いをしている。
お店が彼らのサービスを導入する直接的なメリットは加盟店手数料が安いくらいしかないですが、お店としては来店者が増えてくれたらいいのでECでユーザー獲得している彼らは魅力的にうつるかも?
 
 
 
◉日本と海外の違い
銀行法の兼業禁止から金融機関はクレジットカードを発行できず専用の会社を作ったのに対し、
海外では既存システムで顧客管理しながら与信管理の延長上でクレジットカード事業を手掛けた。
→キャッシュカードを小売店の端末で読み取りATMと同じ暗証番号で買い物できる「J-Debit」ができた:ただ口座と同じ暗証番号怖いって声もありあまり浸透せず、、、
→その後国際ブランドのブランドデビッドが発行された:海外のクレカはリボ払いが当たり前だったのでデビッドって浸透しやすかったけど、日本人はデビッドである必要性はあまり感じられず浸透していない、、
 
・割賦販売法によって信販会社にしか分割払いが認められていないのでクレジットカード会社が加盟店手数料のみに対し、欧米ではクレジットカードの支払はリボルビング払いが一般的でリボルビング手数料収入を得ていた
 
・近接型非接触ICカードにはType -A、Type -B、FeliCaがあり、Type -A、Type -Bは世界の金融機関の決済データ仕様と同じISO/IEC7816に準拠しているが、
交通系ICやおサイフケータイなどで用いられるFeliCaは処理スピードを重視して独自データ仕様でAppleApple Payで使えるようにした
 
 
 
 
別にこれらの違いを理解していなくても候補者が自分を信用してくれて、自分が紹介してくれるものだったら受けます、と言ってくれたらそれでいいですが
でも、せっかく勉強できるチャンスがあるのでできるところまで勉強したいと思います!