『最強のシナリオプランニング: 変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」』から、環境分析から未来の予測をすることの重要性を知る

『最強のシナリオプランニング: 変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」』を読みました!

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これは2013年に出された本なので、
2011年の東日本大震災から2016年の電力小売自由化に向けて電力業界がどうなっていくのかといった話や、
2008年日本に上陸したiPhoneが一気に浸透したころ(iPhone5が2013年発売)に日本の端末メーカーやデバイスメーカーがどんな戦略をとるべきか、という話は特に共感を持てました。
特にサムスンについて、
iPhoneが登場したときにいち早くAndroid搭載のGalaxyを導入しGoogleの端末メーカーとしてシェアをとりつつ、デバイス事業においてはアップル向けにDRAMやNANDメモリーやカスタムの液晶パネルやポリマー蓄電池などを供給するという、
アップルとGoogleどちらも共存するシナリオにて合計利益の最大化を獲得しようと試みたとのことで、
シナリオプランニングの本質は「正しく読んで、決めること」に尽きるなと思いました。
・シナリオプランニングにおける「シナリオ」とは、「経営環境に関する未来のストーリー(仮説の連鎖)」である
シナリオプランニングは未来のある時点に視点を置き、現在からその時点に向けて起こる可能性のある環境変化の連鎖を俯瞰し、歴史のように因果関係を体系づけて説明するのである。
・シナリオプランニングでは客観的に捉えるべき「環境」変化のシナリオと、そのシナリオに対して自社がとる「戦略」を、区別して考えることが重要だ。
・未来のリハーサルを通じて、環境変化への感度を高め、戦略の本質に迫り、意思決定の質を高めることにこそ、シナリオプランニングの真の価値があると言える。
この本で一番最初に出てくるのが「環境分析」であり、
・外部環境分析(PEST、5フォース)
・内部環境分析(インフレンス・ダイヤグラム
が記されているにもかかわらず、
日々HOWの部分を細かくやることに目が向いて近視眼的になっていることにハッとしました。
 
また、シナリオプランニングでは環境分析をもとに
<機会と脅威>を抽出し、
インパクトの大小×不確実性の大小の4象限でどこに因子が位置づけられるのかを決めると優先順位がつけやすいということが記されています。
 
一歩一歩成功させたいのでつい不確実性の低いところから始めようとしがちですが、
インパクト小さかったら意味ないし、
ゲームルールが変わるインパクト大きいことは何か、ここを洗い出して決めることの重要性を感じました。