『世界史を創ったビジネスモデル』と『孫正義 300年王国への野望』から長く続く組織のキーワードは多様性であり、予測を当てるのではなく対応することに意味がある

『世界史を創ったビジネスモデル』を読みました!

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ビジネスモデルといっても、お金の流れやステイクホルダーとの関係そのものというよりは、その根本にある共通点を導き出すことの重要性から、
・500年続いたローマ帝国から「多様性の確保」と
大航海時代のイギリスから「フロンティアの拡大」
について多く記されていました。
 
まず、ローマー帝国の「多様性の確保」におけるキーワードは「寛容」であることがわかりました。
ただし、以下のように示されているようにここで言う寛容は優しさとかそんなものというよりは、自分たちの領土拡大のための戦略の一つだったのだと思います。
寛容主義とは、普遍的原理に基づく絶対的政策というよりは、さまざまな条件を考慮した上での判断なのである。
寛容とは、相手に対する自信の表れに他ならない。
寛容政策は、受け入れる側にとっても一定の資質を必要とする。
寛容政策に対する最大の敵は、国内における反対勢力である。
そして、大航海時代の「フロンティアの拡大」におけるキーワードは「海洋国家」だということがわかりました。

広い領土は持たず、国を全世界に向かって開放する。そして、貿易を中心的な産業とし、少数精鋭で大きな収益を実現する。

そのためには一見すると自給自足で自分でやったほうが早いかもしれないことも、「比較生産費」の観点から分業し、交換することでその効果を最大化できるようになる。
 
100年続いたローマの内乱に終止符を打ち、その後数百年続くローマ帝国の制度的な基礎を築いたアウグストゥスオクタビアヌス)は平時の政策として軍の縮小、通商の拡大、通貨制度の整備、経済活動に対して国家が干渉しない、文化の推奨、上下水道など公共施設の整備などを実施。
戦時と異なり安定の時代は敵が目に見えず、もはや戦う必要性はないからこそ、
人々の生きる意味を作るということは重要だったと思いますし、
まさに、今も重要なんだと思います。
 
そして、図らずしもその後読んだ『孫正義 300年王国への野望』にも300年続く会社の特徴として「多様性」が挙げられており、
ローマ帝国から学ぶことはまだまだありそうだと感じます。

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本の中身と孫さんのプレゼンから、30年で生き残る会社は0.02%しかないことから、如何に生き残るのが難しいのか、さらに生き残ろうだけではなく世の中にインパクトをもたらすまで成長させるのが難しいのかがわかりました。

また、2010年の段階で孫さんは

「2018年に1チップの中のトランジスタの数が300億個を超え、チップが人間の脳を超える」

という話をしていましたが、

2017年にAlphaGoが世界王者の棋士を破ったタイミングからも

おおよそ2010年に出された30年ビジョンの予想は当たっていると言えます。

ただ、重要なのは予想を当てることではなく、予想を元に対応するところにあります。

予測の精度を高めることで対応の速度を高められることに意味があるのであって、

対応なき予測には意味がないと思います。

 

私は孫さんや安宅さんやその他研究者が描くテクノロジーでできることをもとに、人間は何ができるのか、人間しかできないことは何か考えたところ、「どんな未来を創るのか決めて動く」という結論が出ました。

もう少しブラッシュアップしますが、少し見えた気がします。

 

①理念:「情報革命で人々を幸せに」

②ビジョン:300年成長のDNAをつくる、「300年成長し続ける企業のDNA設計」を発明、

③戦略:300年成長し続けるために必要なのが「同志的結合」と「アカデミア」

ソフトバンクは1981年に創業し、2009年に営業利益4658億円で日本3位の会社になりました。