エンジニア、デザイナーに向けた、良いサービスと良い企業について

最近、エンジニア、デザイナーに関して悔しい(自分の力不足感)と思ったことがあったので今回は思いの丈をつらつらと書きます。

 

先日yentaのイベントでアトラエCTOの岡さんがyentaはマネタイズができていないということをお話されていて、

マネタイズできていないなんてサービスとして存在する意味あるのかって思ったのですが、

自分自身がyentaを使ってみて、直感的に選んで会うか会わないかを本人同士に委ねる(会いたかったら自分でメッセ送る)という、

個々人に検討の余白を与えているyentaのサービス自体は素晴らしいと思ったんですよね。


IT企業において、良いサービスがあるというのは良い企業であるために必要な条件だと思っており、
プレイドやSmartHR、CASH、FOLIOなどロゴ変更の際にブログやHPでその意図をアウトプットしたり、
SansanやDeNAはデザイン戦略室みたいなのをつくったり、
マネフォはデザイン志向をプロダクト制作に組み込んだり、
と、どんな形であれプロダクトとの向き合い方をアウトプットしている会社は比較的良い企業だという認識を持っていました。


ただ、実際そんなものだけで

”その企業はプロダクト志向がある会社で、そんな会社が作っているサービスは良いサービスである”

と結論付けるには時期尚早だというのを改めて認識し、自分の浅はかさととともに、やっぱり書かないと理解できないという限界に落ち込みました。

 

ただ、落ち込んでいても仕方ないので、寄り添う努力はしますが、
ヒューマンキャピタリストとしては、私自身がコードを書いてサービスを作る主体者じゃないからこそ、

客観的にサービスをみて、分類できるようになったほうが自分自身のプロダクトサイドの人へのバリューは高いのかなと思いました。

 

つまり、みんな”良いサービス”をつくるために日夜時間を使っていると思うのですが、

”良いサービス”を作るために企業と候補者が何に重きを置いているのかによって、

オススメする企業は異なるのではないかと考えました。

例えば、サービスを作る上で
・拡張性
・可用性
・UIUX
・グラフィック
・革新性(他のサービスの真似してないとか)
など、全部重要という考えはあると思うのですが、優先順位は企業も候補者も少しづつ異なるんじゃないかなと思いました。

 

さらにサービスの作り方だけではなく、
候補者が誰に価値を提供したいのかによって会社の業種が決まり、
候補者がどんな価値を提供したいのかによって会社のフェーズが決まる。

そんな丁寧なマッチングをしていきたいと思いました。

 

~余談~
今アツイ動画マーケットについて各社の概要まとめるとこんな感じになるのかなと整理したものをこちらでも共有します!


1.Vtuber
(1)バーチャルアイドル(決まった声優が中の人になれる)
Activ8、バルス、mikai

(2)バーチャルヒューマン(一般人が誰でも中の人になれる)
ミラティブ

(3)配信プラットフォーム
グリー、イグニス、クラスター、360Channel、CyberV(多分)


2.eスポーツ
(1)ソシャゲ発大会運営
CyberZ、ミクシィアカツキ

(2)独自でコンテンツ制作
meleap

(3)ゲーマー輩出
Gamewithなど

 

『友だち幻想』からみる、”エモさ”を伝えるためには、”エモい”を使わないということ

少し間が空いてしまいましたが、先日あるメーカーにいた方から

マーケティングに関して興味深いお話を伺いました。

 

広告主が広告代理店にわざわざfeeを払う理由は、広告主と広告代理店には役回りの違い(下記)があるからで、最終ゴールはGreat ideaをつくることであり、そのために各々が役回りを全うする

 

一見当たり前のように見えますが、実はこの観点が抜け落ちている人がたくさんいると思うんです。

しかもこれって、広告代理店と広告出稿する人たちだけではなく、代理業とやりとりをする業種全てに言えることであり、

私達のような人財エージェントにおいてもやるべきことは
”クライアント側が採用したい人物像に関するBRIF(求人票)をつくり、私達はそれに基づいて候補者の方へメッセージングしてお伝えし、それを体現できるような人を紹介する”

ということなんだと思います。

そのためには単なるデモグラやハードスキルだけではなく、

なんのためにその人を採用しないといけないのか、人事は関係部署と連携をとって言語化しないといけないし、

私達のマッチングもハードスキルのマッチングで事足らしたらだめなんだと思いました。

 

この、言語化について、ちょうど今週読んだ『友だち幻想』で、

他者と自分は異なるという前提の下、人とのつながりを丁寧に築くなら「ヤバイ」などのコミュニケーション阻害用語を用いることは良くないみたいなことが書かれていました。
最近だと「エモい」と言う言葉も、そのエモさの本質はその時々/人によって異なり、同じ「エモい」でも受け手と使い手のニュアンスは微妙に異なると思うので、

本当の意味でエモさを伝えたいなら、「エモい」という言葉を使わずにエモさを伝えられないと、伝わらないんだろうなあと思います。

『睡眠の科学』を読んで、脳科学観点から感情を読み解く

睡眠の研究で有名な筑波大学櫻井先生が書かれた『睡眠の科学』を読みました。

 

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ちょうど今週の日経でニューロスペースはじめ官民が予防医療に乗り出す記事がでたり、

仕事でお会いしたFacebookの方が、

人間の心理は脳科学が起因しているので脳科学に興味があるという話をされていたのですが、
私も全く同感で、”科学”である以上、新規性と再現性は問われるべきで、

心理学はその部分がかなりファジーで(ファジーだからこそおもしろいんですが)、

この本から情動(感情)を司る大脳辺縁系が人間のこころに影響していることがわかりました。


従来、心で感じたままに動くとか、感情があたかも心によって作られているように感じていましたが
実は、大脳辺縁系における扁桃体は好き嫌いを判定する部分であり(もともとは生存における意思決定をするための機能)、

この扁桃体が感情を作り出し、心機能に影響することがわかっています。

つまり、心は脳の動きを可視化しているにすぎないと。

 


とはいえ、スポーツをしているときなど、「無意識に身体が動く」という経験をしたことがあるように、

意識は心身のすべてを管理しているというよりも、意識が管理しているのはごく一部で

あることから、一概に脳が感じたことが正しいというわけではなさそう

という点に置いて人間の奥深さとともに、面白さを感じますよね。

 

本題の睡眠においても、覚醒・ノンレム睡眠レム睡眠の違いをモノアミン作動性システムコリン作動性システムの動きによって規定されることがわかりました。


少しネタバレをすると、
レム睡眠は脳は活発で脳から下が麻痺している状態なのですが(だから夢をみても身体が動かない)、その背景にはモノアミン作動性システムが完全停止/コリン作動性システムが活発になっている


ノンレム睡眠は脳の機能は落ちるが身体の感覚系は遮断されていない状態で(だから寝返りうったりする)、モノアミン作動性システム・コリン作動性システムはどちらも低下する


それぞれのシステムはイメージスイッチみたいなもので、それぞれの影響する神経系があり、その神経系が脳機能に影響をもたらすことでスイッチオンオフになるという仕組みのようで、

神経系自体可塑性があるのでたとえ一つの神経系のルートがなくなったとしてもそれを補うように変化が生じるなどなど、一辺通りにいかないところが、心理学にも通じる部分があり、研究し続けるおもしろさを感じました。


このような専門的な話もあれば、
睡眠薬はモノアミン作動性システムに作用するだけではなくその上位にある大脳皮質にも影響するので、現在は覚醒に影響するオレキシンに作用する睡眠薬がある


・睡眠中枢と呼ばれる視索前野でアデノシンという物質が作用して眠たくなるので、カフェインはアデノシンに拮抗することで眠気覚まし効果があると言われている

 

・モノアミン作動性システムの構成要素にヒスタミンがあり風邪薬はこのヒスタミンに作用することで眠くなる
などなど素朴な疑問に対して脳機能の観点から説明されていたのでめちゃくちゃわかりやすかったです。

 

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便宜上学問は分断されていますが、よりリアルの世界で学問を応用していくにあたり

これからますます一つの学問で一つの事象を説明するのではなく、

複数学問によって複数事象を同時多発的に説明していく必要があるのではと思います。

NewsPicksの広告「さよならおっさん」の批判より感じたこと

今週本を読み切れていないので、NewsPicksの広告「さよならおっさん」について書きます。

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先日の日本代表戦のように批判も肯定もあったかなという印象ですが、
個人的には元スマニューの望月さんが書かれていた考察が批判寄りではあるものの、
メディアとしての価値を捉えていると思ったので共有します。

 

”言うまでもないことですが、プロパガンダの最大の問題はそれが「考えさせる」ことではなく「考えさせない」ことを目的とした情報発信であることです。その重要性は何度強調しても足りません。”

https://note.mu/hirokim/n/n957dc66c0008

 

100%正しくないことは証明できても
100%正しいということを証明できないように、
100%正しいという情報はあり得ないと思います。


今回のNewsPicksはこういったことを考えるきっかけにしか過ぎないですが、
人は生まれながらにして考える生き物だと思うので、
従来考える生き物が考えなくなる理由は外部からの刺激、つまり1つの価値観や考えを強いるからだと思います。


好き/嫌いで判断されることはあっても、正しい/正しくないで判断されるべきものではないと思います。


私は自分の考えを発信できない組織は憤り、恐怖、悲しみを感じますし、「考えさせない」人をこれ以上増やすことはしたくないと強く思いました。


私はこの「考えさせない」ことをしない組織で、考えるために鮮度と精度が高い情報を得られることが自分のEVPであり、

それを虐げられたときが組織を去るときだと思っています。

『マンガでわかる! 人工知能 AIは人間に何をもたらすのか』を呼んで考えたエンジニアの思考

https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51rVk0A6roL.jpg


を読み、人工知能の歴史的背景を勉強することができたとともに、

エンジニアの方とお話するなかで、まだ全然足りていないですが少しだけわかったことを共有します。

 

 


新しい技術使いたいとか、自社サービス開発したいとかは表面的なwantで、大事なのは

「どれだけおもしろい人と、おもしろいことができるか」

なのではないかと思いました。(これはエンジニアに限らずですが)

 

◎どれだけおもしろい人か:
学歴や経歴やスキルや実績などのハードスキルと志向性などのソフトスキルの両面によって評価される感じがしました。

 

 

◎どれだけおもしろいことができるか:
私達の会社において「なんでそのサービスをつくるのか」、

「なんでこの仕事をしているのか」の回答の大枠は

「スタートアップのため」だと思うんですが、

それだけを強調しすぎると「利他のために尽力する」慈愛の精神が強い会社っぽく見えると思うんです。


「スタートアップのため」に共感して入ってくれる人自体有り難いですし、否定をするつもりはないものの、

それに共感できないから辞退するというのは少しもったいないかなと思います。

「スタートアップのため」に共感できない人の中でも、うちに合う人と合わない人を敢えて分けるとすると、
「どうせ同じ時間使うならその時間を最大限有効活用したいよね」という考えや、

誰もが経験してきた職に就くという点の課題を解決して、

個人の人生をよりよいものにするとかって言う考えを持っているかどうかなのかなと思います。


個人的には、同じスペックのサーバーサイドエンジニアでも就職時と20代と30代ではオススメ企業が変わるかもしれないですし、
仮にオススメ企業は同じでもオススメ順は異なると思うんです。

 

マッチ度0か1ではなく、カップルの相性みたいにA社とのマッチ度60%、B社とのマッチ度80%みたいなイメージですね。


そのマッチ度をもとに人間性とか、A社っぽさを私達があってチューニングするともう少し個人にとっても社会にとっても意味あるサービスになるのかなと思います。

 

『完全教祖マニュアル』を読んで、生きる意味について考える

『完全教祖マニュアル』を読みました。

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スタートアップって宗教っぽいとか言われる事があると思うんですが、そもそも宗教ってよくわからないし、よくわからない言葉を使うことほどよくわからないことはないと思うんです。

この本では教祖になるためにHow toが記載されているんですがその中でも参考になる箇所を共有します。

 

宗教の本質というのは、むしろ反社会性にこそある

 

・なぜなら新興宗教はその社会が抱える問題点に根ざして発生する

・宗教の役割は社会に迎合することではなく、むしろ、社会通念に逆らってでも、正しいと信じることを主張すること

 

宗教の目的は人をハッピーにすることであり、人がハッピーな状態って人それぞれだし、アッパーはないからこそ、様々な宗教が出てきたと考えると納得感はありますよね。

 

そういう点においてスタートアップと宗教は似ていますが、

大きく違う点は、宗教の場合は教祖に信仰します(ある対象を疑わずに、無条件で信じること)が、

スタートアップの場合は信頼(過去の実績を信用して、不確実性のある未来のことも信じて評価する)の下成り立っている点です。

 

私達は信頼はし合うけど、信仰はしない。似ているようで全然違いますよね。

 

 

ちょうど社外の方から

「考察深い文面から問題意識を持っていらっしゃることが伝わってくるのですが、そういう原体験があったりするのでしょうか?」

と質問をいただき、自分なりになぜそんな風に考えられるのかな、、、と少し考えてみました。

 

私自身起業したわけでもないし、有名企業に入ったわけでもないし、学校の勉強がめちゃくちゃできたわけでもない普通の人間なのですが、

日々お会いする方々が圧倒的な当事者意識を持たれて、もがきながらも、生き様を近くで見て得る学びが影響していると思います。

生きることって、リアルであり、今、この瞬間を最大化することが未来をつくることだと思いました。

『Google Boys グーグルをつくった男たちが「10年後」を教えてくれる: ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンの言葉から私たちは何を活かせるか 』を読んで考える、その会社で働く意味

こちらも前回の投稿から少し時間が経ってしまいました、、、

Google Boys グーグルをつくった男たちが「10年後」を教えてくれる: ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンの言葉から私たちは何を活かせるか 』を読みました。

 

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2014年の本ですし、すでにいろんな本で言われていることばかりなので特に真新しさはないものの、今の自分が考えていることにタイムリーな言葉があったので共有します。

 

「質で勝負できないなら、そもそも勝つべきじゃない」

 

ちょうど昨日会社の採用面接にて同僚が創業時の話をしていたのを横で聞いていたんですが、

スタートアップは

大手だと工数がかかるわりに金額インパクトが小さいため入りづらい領域×時流

を狙うのが吉で、

誰のためでもない”自分のため”にやり続けた結果、競争優位の源泉になる

と改めて思ったんですよね。


自分がやりたいからやる。
”自分のため”を追求し続ける結果、”誰かのため”になる。


ラリー・ペイジセルゲイ・ブリンはそもそも検索エンジンがやりたかったわけではないけど、

自分たちがすばやくリーチできる仕組みをつくりたくてやってたうちに検索エンジンというみんなのためになった。


私達も、各々のやりたいことをやり続けた結果、スタートアップのためになったんじゃないかな。

 

 

さらに、昨日の知り合いと面接で見極めるときの質問について話をしていたときに、

知人は候補者に対して「何しますか」と聞くんです。


「何がやりたいですか」と聞くことももちろん重要だと思うんですが、

それだと当然良いことを言うので、疑いようないけど本当に実行力あるか判断し辛い。
でも「何しますか」を問うことによって、

Wantを成し遂げるためにここでどんなDoをするか具体性が増し、

WantのためのDoを私達は受け入れられるかどうかが判断軸になると思うんです。

 

特に人数が少ないスタートアップにおいては

仕事は与えてもらえるものではなく自分でつくるものだからこそ、

自分の役割は自分で決めるべきだし、

それが会社の目指すものと近くて、みんなで一緒にやったほうが波及効果も世の中へのインパクトも大きいからチームでやるものだと思います。