『志を育てる』を読んで、悩むと考えるの違いについて知ることができた
「一定の期間、人生をかけてコミットできるようなこと(目標)」
・悩んでいる:抽象度の高いフレーズだけが頭の中を渦巻いており、ある種の思考停止状況になっている場合が多い。
・考えている:本来、何について考えなければならないのかという論点を整理し、できるだけ抜け漏れなく、次に対するオプションを洗い出し、(つまり考えを詳細化、具体化し)、自らの価値観に基づく評価基準を決め、絞り込むために、思考を深めているという状態を指す。
志は事前に何かにコミットするという意思決定であり、重要なことは、誰かが決めた目標や規範に乗っているかどうかよも、それに「自分自身が乗ることを決めた」という部分
『答えのない世界を生きる』を読んで、文化系学問を追求しているみんなへのエールを感じた
行為が正しいかどうかは社会的・歴史的に決まる。美しいから美人と呼ばれるのではない。逆に、社会の美意識に合致する人が美貌の持ち主だとみなされる。善悪の基準も同様だ。悪い行為だから非難されるのではない。我々が非難する行為が悪と呼ばれるのである。逸脱する少数派が肯定的に受け容れられるか、あるいは否定的に拒否されるかは、行為の性質や主張の内容からは決まらない。何が正しいかは結果論だ。
文化系の学問は己を知るための手段である。自分を取り巻く社会の仕組みを読む解く、自分がどのように生きているのかを探る行為だ。「どうしたら独創的な研究ができるのか」この問いは出発点から誤っている。斬新なテーマやアプローチを見つけようとする時、すでに他人との比較で考えている。そこが、そもそも独創的でない。人文学を勉強しても世界の問題は解決しない。それで社会が少しでも良くなるわけではない。自分が納得するために考える。それ以外のことは誰にもできない。文科系学問が扱う問には原理的に解が存在しない。そこに人文学の果たす役割がある。「正しい答えが存在しないから、正しい世界の姿が絶対にわからないからこそ、人間社会のあり方を問い続けなければならない」
『心理学的経営―個をあるがままに生かす』を読んで、組織において無秩序から秩序化そして無秩序化の動きの重要性を知る
「結局心理学的経営の目指すところは、人間をあるがままにとらえるところから出発して、人間を大事にする経営ということになろう。では人間を大事にするというのはどういうことかと考えると、つまりは、一人ひとりの人間を尊重するということ、すなわち「個性」を尊重するという考えにたどりつく。」
「人間という生命体は無秩序な状態から秩序化された状態を自己組織化する過程で、無秩序を放出し、エントロピーを増大させるという矛盾した存在なのである。」
「活性化された組織はいわば雑然とした無秩序な世界である。」
「活性化は、既成の構造としての秩序を破壊することからはじまる」
「現状の自己否定が組織に葛藤と緊張をひき起こし、組織内の均衡状態を崩していく。これがカオスの演出という活性化のための最初の戦略として認識されなければならない。」
「ゆらぎが増幅され、一定のクリティカルポイントを超えたときに、破壊や革命が起こる。組織活性化の最終ゴールは破壊のための破壊ではなく、新しい創造のための破壊である。」
『限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭』を読んで新しい経済の仕組みが必要な理由を知る
『無心ということ』を読んで、このままだけどこのままじゃいけない、そんなことについて考えた
「ほかにあると言ってもほかにあると見ない。ほかにあると見ないが、そんならこのままでいいかというと、このままではいけないところがある。このままであって、またこのままではいけない、いけないと言ってまた別に何もない、しかしこれがつまりは人間です、この世界なのです。」
「有と無との間というか、有りでもない無でもないところを歩んでゆくところに、いわゆる人間的無心なりものを認めたいのである。無心で有心の世界、有心で無心の世界、神ながらでなくてしかも神ながらの世界、自然本能を否定して、しかも自然本能の働きで働く世界ーこれが無心で超道徳の世界だ。」
『空白の桶狭間』を読んで、秀吉と信長の関係性から今の時代にも通じることを学ぶ
「<山の民>は、里に下った仲間を三代まで、教育を施し、自分たちの伝承を密かに守る仕来りになっている」
「人は皆、その地位より一つ上のことをさせれば、目の色が変わる。一つ下のことをさせれば、目まで死んでしまう」
『両利きの経営』を読んで、イノベーションのジレンマの言葉の意味が変わった話
・探索:なるべく自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為。
・深化:探索などを通じて試したことの中から、成功しそうなものを見極めて、それを深掘りし、磨き込んでいく活動。
→成功企業ほど深化に傾注する結果、サクセストラップ(成功に向けた構造、システム、プロセス、指標を開発しようと懸命に頑張ってきた人たちは、特に低収益事業に不確実な機会があるからといって、これまで以上に築き上げてきたものを変えたがらない)に陥る
「両利きの経営を引っ張っていくには、感情的にも戦略的にも明確であることと、矛盾を受容できることが求められる」
という最後の方にある一文がすごく印象的で、