ひろゆきの『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』の中でお勧めされていた、
『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった 』を読みました!
前半は海運業の改革を起こしたマルコム・マクリーンの話だったり、沖仲仕(船から荷物を荷揚げ、荷下ろしする人)の日常だったりで離脱しかけましたが、
中盤に入り、
これ、題材が”コンテナ”なだけで、既存の仕組みを変えるイノベーションが世の中に受け入れられるまでの話なんじゃないか
と思いました。
具体的には、
・コンテナが登場することで
・コンテナのコモディティ化によって
コンテナ値下げ→その後業界再編→そして1社1社が巨大化し、→20世紀に資金調達と情報技術に長けている後発企業の台頭
という流れは今の既存サービスの中からスタートアップが生まれる理由にも重なる部分があり、
21世紀の海運会社のプレイヤー構成をみるとコンテナを作った会社=コンテナをうまく活用できている会社というわけではないということから、
ファーストムーバーは大事だけど、ファーストムーバーだから得というのはあまりないという話で、
これはまさにLayerX福島さんメルカリとフリルを例にリスクとシェアの記事で読んだ話だったので既視感がすごかったです。
------以下メモ------
●コンテとは
・この実用的な物体の価値は、そのモノ自体にあるのではなく、その使われ方にある。
さまざまな経路と手段を介して最小限のコストで貨物を運ぶ高度に自動化されたシステム。その主役が、コンテナである。
・コンテナは輸送コストを引き下げるだけではない。時間の節約と正確性の向上も実現する。
・マルコム・マクリーンが優れて先見的だったのは、海運業とは船を運行する産業ではなく貨物を運ぶ産業だと見抜いたことである。
・「コンテナリゼーションはシステムである。コンテナの全面活用を念頭において設計されたロジスティックス・システムで使われてはじめて、コンテナの効果は最大化される」
●コンテナと港湾従事者との折り合いの付け方
港に行って選ばれるのを待つ沖中仕は荷役に時間がかかればかかるほど実入りが多くなる「現場ルール」が存在し、コンテナとクレーンが港湾労働者の仕事を奪うと思われていた。
・東海岸:コンテナ導入と荷役の機械化を受け入れ、それと引き換えに港湾労働者の所得を保証する。
・西海岸:(損失労働時間に対する補償を求めるという組合側の意見に対し)経営側はコスト削減分を労働側に還元する方式ではなく、コストとは無関係に年間限度額を設定することを提案した。62−65歳の労働者については、早期退職すれば65歳まで月220ドルの年金が支払われる。残りの基金はAメン(優先的に荷揚げ荷下ろしできる人)の所得保証に充てられた。
→東1959年、西1960年に画期的な労使協定「機械化・近代化協定」が成立。
「機械化に対する港湾労働者組合の執拗な抵抗は、一つの原則を確立したように思われる。仕事を奪うようなイノベーションを産業界が導入する場合には、労働者を人間的に扱うという原則。」
●コンテナを取り巻くビジネス環境の変化
・コンテナのコモディティ化
→値下げ
→業界再編
→巨大化
→20世紀に資金調達と情報技術に長けている後発企業の台頭:コンテナ時代の船会社に求められるのは、海の知識よりも財務や経営の知識