スタートアップ成長記録④ 2017年後半のお話「成長痛」

スタートアップ成長記録①
スタートアップ成長記録② 2016年の組織ジョインから半年
スタートアップ成長記録③ 2017年前半のお話「F社2.0の時代の幕開け」
とF社での成長記録を記してきましたが、今回は”成長痛”のお話を書きます。

売上、人数などが急増するフェーズの組織において用いられるこの成長痛ですが、

2017年後半はF社にとっても大きなターニングポイントがありました。

 

1つは上場路線への舵取りです。
それにともない、ストックオプションの配布と役員の選出が行われました。

メンバークラスの私からすると、代表ならびに今回新たに選任された2名の役員が決め

たことに則って進めていくだけなので、特になにもしていないんですが、、、

もう1つ上のレイヤーの人達の間ではストックオプションの比率や組織化に向けて良いポジションで選任されるべく

密かに縄張り争いが繰り広げられているようで、、、、
「仲間集め」のための採用をしているつもりが、社内で牽制しあって敵味方をつくる、、、
みたいなこともあったり、なかったり。

 

この話は2018年1-3月の巻でお話します。

 


大きなターニングポイントのもう1つは、2名のメンバーの退職です。
2名とも2017年の1月に入社した新しいメンバーで、前職の実績は目覚ましいものでした。

2名とも他社からの引き合いも多く(なので退職後はそれぞれ活躍されているようです

が)、キャラ立ちしていて、新しい風を吹かせてくれたメンバーだったので、

2名が抜けてなんだかぽっかり穴が空いたような感じがしました。

でもこの2名の退職から2つのことがわかりました。

 

・辞めることを決めた社員は引き止めないほうがお互いにいい
辞めることを決めた人に目を向けるくらいなら、今この状況を一緒に走ってくれる、信

じてくれる仲間に目を向けるほうがよっぽどいいと思うんです。


なぜなら、辞めることを止めた人がそのまま社内に残っても、説得されて止めるくらい

の意思の弱さなら、今後も重要な局面で辞めると言いかねないですし、

1度は「仲間を裏切った人」なので、もう一度信じることって私は難しいです。

それくらい「辞める」ということは重いことだと思います。

しかし、私達の場合、辞めると決めた人に対して、会食や面談を繰り返し譲歩案を話し

ており、

メンバークラスで毎日必死に生きている私からすると、辞めたいやつは辞めればいいと

しか思っていなかったですし、

全体周知しなくとも全体が暗黙で知っているあの空気は居心地が良いものではなったで

す。

 


・新入社員への心理的フォローは採用した人が責任を持つ

1つ前の投稿にも記載しましたが、私達は全員メンバークラスでのジョイン、完全フラ

ット組織を謳っていることから、

メンターやチームはゆるふわな感じで存在しているものの、

「この人を育てられなかったら〇〇の責任です」

といったものや

「この人が辞めたら〇〇の責任です」

といったものがなかったため、よく言えば干渉しない、悪く言えば入社後野放し状態で

した。

でも、それじゃあどんなに鋼のメンタルを持っている人でも折れちゃいますし、利害関

係がない人がきちんと受け止めてフォローをしてあげる窓口を作るべき(頼まれなくて

も)なんですよね。

そこで重要になるのが人事だと思います。

とくに上場に向けて揺れ動くメンバーの微妙な心理状態を察知して、手を回しておく。

そのためには、各メンバーの特性を理解し、戦略的に配置転換やメンター設定を行う必要があると思います。

F社の人事Sさんはどちらかというと口説きが得意なタイプだからこそ、

心理的なアプローチから人事を考えられる人、

つまり制度設計や企画、HRtechを用いるといった飛び道具的なものが使いこなせる人で

はなく、カウンセラーっぽい人が必要だったのかもしれないです。

 

前に向かって走り続けるスタートアップにおいて、”たられば”は言ってもキリがないですが、

たまに振り返って汎用性がある”たられば”を共有することで

同じような失敗を少しでも防げる(防げなくとも未然に知れる)お手伝いができればと

思います。

 

次回はついに2018年1月-3月のお話をします。

(今は回想録になっていますが、もう少しでリアルタイムに書ける!)