『策定・交渉・契約・実行がわかる 成功するアライアンス 戦略と実務』を読んで、「アライアンス」の違いについて学ぶ

『策定・交渉・契約・実行がわかる 成功するアライアンス 戦略と実務』を読みました。

先日からLegaltechの話を伺う機会が多く、
この本を読みながら契約のことについて考えました。

 

契約って法律的に良いか悪いかというのはもちろん大事ですが、
ビジネスの場面で“法務が無理って言いました”って言えば簡単なのですが、
本当にそれでいいのか、是か否か、白か黒か、0か1しかないのか、と今一度問いたい。

 

お客さんと話をしている営業は、
自社のRVと法律的良し悪しをもとにどこまで歩み寄れるか
が腕の見せ所なんじゃないかなって思いました。


本の内容としては、経営資源を獲得するにあたり、
自社開発・市場取引・アライアンス・M&Aの4つの方法があり、
それぞれ支配度・スピード・推進力・柔軟性の4つの観点からメリットデメリットが記されていて勉強になりました。

●アライアンスは以下3つに分けられる
・業務提携(資本関係なし):スピードと柔軟性は高いものの、あくまでも契約だけに基づく関係なので、監督・強制のためのコストも発生する

資本提携(資本関係あり):スピードと推進力が高まるため大手企業を動かしやすくなる一方で、出資した会社の株式の買取りや第三者への処分が必要になり簡単に関係解消できない

・ジョイントベンチャー(資本関係あり):支配度と推進力は高いもののスピードが業務提携に劣り、関係解消も難しい

 

M&Aはアライアンスと比較して支配度と推進力は高いものの、資本提携よりもスピードは落ち、柔軟性にも欠ける

 

●交渉にあたり意識すべきこと
・BANTA(Best Alternative To a Negotiated Agreement):交渉が決裂した時の対処策として最も良い案
・RV(Reservation Value):撤退基準
・ZOPA(Zone Of Possible Agreement):合意可能領域

例)相手のRVを推測しながら、ZOPAの仮説を設定する。話を進めつつBANTAも想定しておく。