スタートアップ成長記録番外編:「成長するスタートアップで働くとなぜ自分も成長するのか」について考えた

仕事柄、

「なぜ、成長するスタートアップに入社するべきか」

を転職を考えている人に話をするのですが、

直近新しくF社に入社した人に口で説明する機会があったり、

少し前にDCM原さんが以下のようなnoteを出されたこともあり、

note.com

「成長するスタートアップで働くとなぜ自分も成長するのか」

について、私も考えてみました。

 

 

 

●まず、「成長する」スタートアップで働くというところがポイントです

経営者はじめその会社に所属する人は当然「自分たちの会社は伸びている(伸びていく)」と言います。

また、スタートアップという存在自体が急拡大急成長することを前提としていることから、スタートアップで働くと成長はできるものの、

”スタートアップ”と一口で言ってもいろんな成長の形があります。

例えば、

・そもそも狙っているマーケットの市場規模によって成長の大きさは変わります。

もちろん、成長すればするほど単一マーケットではなく、様々なマーケットと絡み合っていくことになるためマーケットサイズは広がっていきますが、どのマーケットを狙うかによってその企業がどこまで成長するのかは決まります。

 

・経営者がいつまでにそれを成し遂げるのかマイルストーンによって成長のスピードは変わります。同じマーケットに根ざしているスタートアップがあっても、経営者がどんな戦略を描くのか、それをいつまでに達成するのかによって、組織の成長スピードは変わります。

 

・少し見方を変えて、成長中のスタートアップに入るのか、これから成長しようとしているスタートアップに入るのか、というスタートアップのフェーズによっても違いますし、スタートアップにどのポジションで入るかによっても得られる成長は変わってきます。

 

これらを踏まえて「成長する」スタートアップは成長するために大きく資金調達をします。

スタートアップは競争環境が激化していく中で一気にシェアを取りにいったり、事業の成長スピードを早めるために資金調達をしますが、

資金調達したお金の具体的な使用用途はマーケティングや人材採用・育成になります。

 

個人のWillはもちろん大事ですが、「成長する」スタートアップは成長するべくして成長しており、

その成長のタイミングを逃さないことが何よりも大事だと思います。

 

ただし、成長するスタートアップのクライアントが成長企業であることは稀で、既存の古い産業や大企業相手にビジネスすることが大半である。

 

 

「成長する」スタートアップを選ぶという前提条件をクリアした上で、

ここからはそこで働くとなぜ自分も成長できるのか、という本題に入ります。

 

 

●組織が成長することで自分の役割が可変的になる

上記の通り、成長するスタートアップはやりたいけどできていないということが無限にあり、それを実現させるため採用を加速し、短期間で組織の人数は増加します。

組織の人数が増加すると、戦略が変わり、それに伴い自分自身の役割も変わります。

 

 

マネジメントにおいても、

マネジメントができるからマネジメントポジションに就けるのではなく、

マネジメントポジションに就くからマネジメントができるようになる

と思います。

 

しかし、組織が成長していないとマネジメントポジションの人は他にする仕事がなくて(正直新しい仕事を作って自分のポストを誰かに渡すのがマネジメントの仕事だと思いますが)、マネジメントポジションに居座ります。

 

硬直化した組織ではポストが埋まっているため、マネジメントポジションに就くまで一定の時間がかかりますが、

成長している組織ではドラスティックに、かつ不定期で自分の役割が変わっていきます。

 

例えば、F社の私の場合、

2018年に4人くらいのチームを持ち、2019年に8名のチームを持ち、今は3名のチームを持っています。

さらに、横断プロジェクトとして2018年から営業戦略の策定実行をしているのですが、2020年には営業戦略室の室長としてより高次元で営業戦略を策定し、自分が実行することもあれば他の人に実行を任せられるようになりました。

 

ただし、自分の意図したようにキャリアを形成することは難しいこともある。

 

 

●組織の歴史が浅いため、伝統を守るのではなく伝統を作る側になれる

これも成長するスタートアップの特徴だと思います。

スタートアップそのものが社歴が浅いためルールが少ないということもありますが、成長しているスタートアップでは組織の成長に合わせてルールはどんどん変わっていき、自分が当事者となってルールを作っていくことができます。

 

人がルールに合わせるのではなく、人にルールを合わせることができる

ため、自分達の成長に合わせてどんなルールを作るべきか、さらに、今後の成長を考えたときにどんなルールを作るべきか、答えのない課題に対して日々取り組みます。

 

スタートアップという前例もなく不確実性も高い組織で、尚且つ非連続な成長をしていくからこそ、自分の頭で考える習慣が必然的に身につきます、というか、身に付けざるを得なくなります。

 

ただし、誰のためのルールか、を誤ると自己中心的なものになることもある。

 

 

●成長するスタートアップは目的集団なので、意識高い人が多い

これは最初に引用した原さんの記事でも触れられていますが、

成長するスタートアップに集う人は成長したい・成長させたいと思っている人

であるため、所謂意識高い系人材が集まります。

学歴、経験の素晴らしさもさることながら、何かしらの課題に対して変えたいというパッションは伝播し、人を動かす原動力となります。

周りにいる人が優秀であればあるほど、自分の当たり前の基準も高くなります。

 

実際F社に入りたくて入ったわけではなく、単なる社内異動だった私自身、

最初はスタートアップなんて知らなかったし、興味もなく、馴れ合いっぽくしている人達になんの共感ももてなかったものの、

様々な起業家やサービスに触れることで、もっともっとスタートアップのことを知りたいと思い、今ではF社の中でおそらく一番スタートアップを網羅的に知っている人になりました。

それくらい、周りの人の影響は大きいということを身を持って体感しました。

 

ただし、意識高い疲れすることもある。

 

 

●最後に

誰かに評価されるために働いているわけではないですが、

どうせ一生懸命頑張って働くならその頑張りが最大限評価されるところで働いた方がいいですし、

自分の頑張りが最大限評価されるか否かは、実は会社の成長に大きく依存していると思います。

 

”前職でパッとしなかった人が成長するスタートアップに入って貴重な経験を積み、次に転職するときに選択肢が増えた”

という事例をたくさん見てきました。

 

もちろん個人の頑張りがあったから、ということは否定しませんが、

それ以上に会社が急拡大急成長することで自分のキャパシティを知らず知らずのうちに広げることができ、

それを後から振り返ると、人は「成長した」と言うのかもしれません。

 

スタートアップは非連続な成長をしていきますが、「ここぞ」というタイミングがどのスタートアップにもあり、

「ここぞ」というタイミングの前後は組織としても痛みを伴いますが、その痛みを一緒に乗り越えるからこそ、人は成長できるんだと思います。