『人類とイノベーション: 世界は「自由」と「失敗」で進化する』を読んで、生産されたものを消費することへの違和感を抱く

『人類とイノベーション: 世界は「自由」と「失敗」で進化する』を読みました!
これはTakramの田川さんが読まれたとtwitterで拝見したのをきっかけで読んでみることにしました。

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エネルギー、公衆衛生、鉄道、食料、ローテク、通信とコンピュータ、先史時代といろんなイノベーションの話が記されていて、ルールを辿るのが好きな人におすすめです。
普段あまり意識せずイノベーションという言葉を用いることがありますが、
この本にはイノベーションと発明の違いを明確に以下記されています。
イノベーションは進化と同様、偶然に生じることはありえない
イノベーションとは、エネルギーを利用してありえないものをつくり、つくられたものが広まるのを確かめるための、新たな方法を見つけることを意味する。それは「発明」よりはるかに大きな意味をもつ。なぜならイノベーションという言葉には、使う価値があるほど実用的で、手ごろな価格で、信頼できて、どこにでもあるおかげで、その発明が定着するところまで発展させるという含みがあるからだ。
イノベーションは自由から生まれる。なぜなら、それは自由に表現された人間の願望を満足させようとする、自由で独創的な試みだからである。
上記が「イノベーション」の意味だからこそ、
イノベーションは大量の資源を用いいることではなく、
むしろ少ない資源で多くを行う方法を見出すことなんだということがわかりました。
 
また、「生産の目的は消費」という言葉とには2つの観点で衝撃をうけました。
①生産性を上げることそのものが目的になるという手段の目的化おこってる
②消費のために生産をするということはすごく欲深い感じがする
とくに2点目について、産業革命みたいな大体的な変化が起こるずっと前からイノベーションはあり、
それによって多様な消費を提供することができ、人々の生活は豊かになって、
また誰かの仕事を作っているかもしれないけど、なんか、本当にそれでいいのか、と思います。
 
豊かになった生活におんぶに抱っこになっていますが、
新しく生まれた自由な時間で「消費」ではなく、
後世への「継続」のためにイノベーションを生み出す方法を考える必要がある
と思いました。
 
 
・人類史の大きなテーマは、進む生産の専門化と進む消費の多様化の組み合わせだ、と私は論じてきた。私たちは時間をかけて、消費するものをますます多様にするために、1人あたりが生産するものー「仕事」と呼ばれるものーをますます狭めてきた。
・生産性の向上は、必要な商品とサービスを手に入れる能力の向上を意味し、ひいてはそうしたものを供給する人たちの仕事の需要増大を意味する。
・「科学の進歩は実用化されると、職を増やし、賃金を上げ、労働時間を短縮し、豊かな実りを増やし、娯楽や勉強のための余暇を増やし、過去には庶民の負担だった死ぬほど退屈な骨折り仕事をせずに生きるすべを学ぶための自由時間をつくる。