『両利きの経営』を読んで、イノベーションのジレンマの言葉の意味が変わった話

『両利きの経営』を読みました!

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組織は探索にて見つかった市場に対して深化を進めていき、わかっていつつも成功を追い求める結果、新しい探索にリソースを割くことができなかったり、同じ指標で新しい探索を捉えてしまい、衰退してしまうことが歴史上わかっており、
これをイノベーションのジレンマということはなんとなく知っている人も多いかと思いますが、
それを乗り越える方法として”両利きの経営”というものが存在し(むしろ両利きの経営の方が今は有名)、
両利きの経営について具体的な企業の事例とともに記されている本でした。

 

・探索:なるべく自身・自社の既存の認知の範囲を超えて、遠くに認知を広げていこうという行為。

 

・深化:探索などを通じて試したことの中から、成功しそうなものを見極めて、それを深掘りし、磨き込んでいく活動。

→成功企業ほど深化に傾注する結果、サクセストラップ(成功に向けた構造、システム、プロセス、指標を開発しようと懸命に頑張ってきた人たちは、特に低収益事業に不確実な機会があるからといって、これまで以上に築き上げてきたものを変えたがらない)に陥る

 

「両利きの経営を引っ張っていくには、感情的にも戦略的にも明確であることと、矛盾を受容できることが求められる」

という最後の方にある一文がすごく印象的で、

両利きの経営は矛盾を解消するものというよりは、矛盾を前提に置いて前に進めるということだと思いました。
 
そして一見すると矛盾しているように見える新規事業の部門と既存事業の部門を両立させるためには
組織や評価は分けたほうがいいものの、完全に切り離さずに、共通のミッションによって繋ぎとめることの重要性がいろんな角度にて記されていました。
 
よって、イノベーションのジレンマの一言で片付けるのではなく、その矛盾をどうやって乗り越えていくのか、そんなことについて考えるきっかけになりました。