アンゾフ以前の企業経営の実際は、各部署が達成すべき数値を土台に積み上げ方式で事業計画が立案され、そのための方策は各部署の自律的な活動に任されていた。
組織はまず、事業環境の分析から自社の方向性に関する戦略的意思決定を行い、それを土台として、予算をはじめとする行動計画を定めるべき。
なぜなら人間が未来を完全に予測するのは不可能であるため、予算や計画も完璧にはなりえないと考えたからである。
安定的に成長するなかでは予算を組み達成することで成り立ったが、想定外の事態が起こるときに必要なのは、単なる数値計画ではなく戦略的な計画、すなわち組織の中長期的な方向性であり、数値の背景となる思想と哲学である。
- 組織が巨大化、複雑化したところに経営者の意思決定の助ける存在として社内に経営企画部ができたり、戦略コンサルティングが台頭
→しかし、多角化が過度に進んだ企業群のニーズすなわち、事業再編に応えられない
→そこで、BCGがBCGマトリクスを作る
「多数の事業が併存する中でどの事業に追加で投資し、どの事業を縮小すべきなのか」という課題に一つの明確な答えを提示
- 1970年代以降経済停滞の状況下では事業ポートフォリオを組み替えるだけでは経営が立ち行かなくなる
今まで目の前のライバルに集中しすぎていたがより重要な競争要因となる顧客や供給者との交渉力、新規参入や代替品の脅威を意識する
→しかし、外部環境の分析に過度に依存している
- 1990年代から2000年にかけて単に資源を手に入れるだけではなく、その企業の独自性を向上させる資源に注目
ここで登場したのが、
・知識を重視した「知識ベース理論」、野中先生のSECIモデル
・能力を重視した「ダイナミック・ケイパビリティ」(DC理論)
- もう少し人の部分に着目したとき、まだまだ説明できていないことがある
・人間の意思決定を大別すると、
①限定合理性と期待効用で説明しやすい意思決定、
②ヒューリスティック(経験則)とバイアスで説明しやすい意思決定、
③直感で説明しやすい意思決定に分けられ、
ヒューリスティックやバイアス、直感にもとづいた意思決定をどう誘導するか
・センスメイキング理論